ともきちのローカル旅

最長片道切符の旅を完遂!7日目以降は写真挿入が不調のため、とりあえず文章のみ公開します。後々リライト予定

最長片道切符の旅(準備編)

私は大学2年生。

高校1年生の時から密かに計画していた最長片道切符の旅に挑戦する。

学生生活の思い出として人生最大の旅をブログに書き留めておこうと思う。

 

1872年10月14日に日本で初めての鉄道が新橋ー横浜間で開業してから長い年月が経った。その間、日本の至る所に鉄道網が張り巡らされ日本の近代化に大きく貢献した。人々の生活のレベルも鉄道によって大きく向上したことだろう。そんな日本中に張り巡らされた鉄道網を駆使して最も長い経路で旅をする。そう、これが「最長片道切符の旅」である。

 

最長片道切符はその名の通り最も長い片道切符であるが、いくつかルールがある。同じ駅を2度通らないことや、一筆書きの最長ルートを行くことなどがある。

 

そして、最長片道切符には様々な流派がある。

JRのみに限るJR派、BRTの通過を認めるBRT派、IGRの通過を認めるIGR派、BRTとIGRの両方の通過を認めるBRT+IGR派などがある。

また、最長の基準や尾久問題、田端問題など細かいことを言えばキリがない。

 

私は今回BRTとIGRを含めた最長片道切符で旅をする。これにより、JRのみと比べてそこそこ距離を伸ばすことができる。

 

 

 

 

《5月28日(金)》

 

私はJR西日本の某駅のみどりの窓口で経路にBRTとIGRを両方含められるかどうかということと、補充券でBRTの区間を含められるかの確認をしに行った。なぜなら、インターネットで「JR西日本では営業本部長通達により、鉄道線とBRT線との相互間をまたがる場合は、マルスでのみ発売する。」との情報を得ていたからだ。

窓口で念入りに確認してもらった結果、BRTとIGRの両方経路に含められ、BRTも補充券で出せるとの回答を得た。ダメ元で確認しに行ったが、これは予想外だ。

 

しかし、念には念をということであらかじめインターネットで補充券でBRTを含められるとの情報を得ているJR東海の窓口に行った。ここでもJR西日本と同じくできるとの回答だった。

 

 

 

 

 

《7月6日(火)》

 

いよいよ膨大な経路が書かれた紙を持ってJR西日本の同じ駅に切符の申し込みをしに行った。

多数の経路が書かれた紙を見て窓口の女性はしばらく固まった。唖然とした様子であった。数秒だけ時間が止まった。しばらくして女性は奥に入って行った。3分ぐらいしてようやく戻ってきて電話番号と名前を聞かれた。あまりに経路が多過ぎて当日に発券できないからだ。

私は電話番号と名前を言い、その場を後にした。

 

その日の夜、早速非通知で電話がかかってきた。なんだか嫌な予感がした。その勘は当たった。申し込みした駅の窓口の人が「JR西日本では補充券でBRTを含められない」と言った。私は5月に含められるという回答を得たと必死で伝え、再度上層部にそのことを伝えるように頼んだ。電話の人は「分かりました。確認しておきます。」と言って電話を切った。

 

 

 

 

《7月7日(水)》

 

朝、早速申し込みした駅に行った。窓口の人に「昨日、長い経路の切符の申し込みをしたのですが…」と言うと、その人は裏から課長クラスの人を呼んできた。50代ぐらいの人でなんだか話の通じやすそうな人だ。その人は「上層部に確認したがやっぱりマルスでしかBRTを含められない」と言った。半分ダメだろうという気持ちで窓口に行ったからあまり精神的なダメージは負わなかった。その人は加えて、「この駅では2013年にもBRTを含めた経路で最長片道切符を頼みに来た人がいて、その人は経路を変えられました。」と言った。ということは、この駅では8年ぶりの最長片道切符申し込み者が現れてそれが自分なのである。なんだか嬉しくなって切符の発券が出来ないことなどどうでもよくなった。朗らかに対応して頂いて愛想がとても良い。ますます日頃お世話になっているJR西日本にお金を落としたいと思った。

 

JR西日本で発券できないのは残念だが、まだJR東海がある。やってきたJR西日本のエース新快速に飛び乗って京都駅を目指した。

 

京都駅は在来線はJR西日本管轄なのだが、新幹線はJR東海の管轄である。

早速窓口に行き、再び同じ確認をした。上層部にも確認してもらい、希望通りの経路で発券できるとの回答があり、安堵した。

帰路の途中に切符のお渡しについての電話があり、7月の最後の週にお渡しできると言われた。平日は大学のテスト期間なので、土曜日に受け取りに行くと伝えた。

3週間も待たされるのはもどかしいが、折角作ってもらうのに文句は言えない。

 

 

 

 

《7月31日(土)》

 

京都駅まで切符の受け取りにやって来た。料金は学割適用で76650円だった。切符の受け取りの瞬間を見ようと鉄道が好きな友人が私の隣にいる。私は作って2ヶ月ほどのクレジットカードを使って支払うつもりだった。しかし、予想外のことが起こる。切符の値段が高過ぎてクレジットカードの利用可能限度額を1発で超えてしまったのだ。学生という身分で社会的な信用が低いため限度額は低めに設定されてある。結局その日は現金も持ち合わせていなかったため支払いを諦め、後日再び来るということを伝えてその場を後にした。良い社会勉強にはなったが、折角来てくれた友人には申し訳ない気持ちでいっぱいだった。京都駅近くのやよい軒で悲しみの親子丼を食べて友人と撮り鉄をして気を紛らわした。一体何の為に京都駅まで来たのか分からなかったが、レアな車両を撮影できて京都に来た口実は作った。

 

 

 

 

《8月1日(日)》

クレジットカード会社に電話をして一時的に限度額を上げてもらえないかと言い、審査にかけられたが結局審査は通らなかった。私は父と一緒に再び京都駅を訪れた。愛想の良い若い窓口の人に「稚内から肥前山口までの切符の支払いに来ました」と伝えるとニコニコしながら奥へ入っていった。相当興味がある様子だった。その後、端の窓口に移動させられ別の人が対応した。その人は無愛想だった。奥からは課長クラスの人がやってきたが、その人も無愛想だった。今回父を連れて来たのは自分のクレジットカードではなく父のクレジットカードで代わりに支払ってもらうからだ。父が暗証番号を入力して最長片道切符を購入した。7万以上支払った感覚がしない。とうとう最長片道切符が目の前に現れた。マルス券とは違い、異彩を放っている。隣の窓口から最初に対応してもらった人が目を輝かせながらこちらを見ている。この切符を知っていて憧れているのかもしれない。私は料金の内訳やその他の確認事項を聞き、その場を後にした。最初に対応してもらった人は愛想は良かったが、その人以外のJR東海の人たちは最後まで無愛想だった。上から目線というか、ロボットのように冷たく機械的である。まるで情がない。

 

この長い切符を丁寧に作ってもらったことには大いに感謝したい。

 

 

という訳で紆余曲折あったが、無事に発券できて良かったと思う。

 

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稚内から肥前山口までの片道切符。

営業キロは11027.1kmとなった。

 

これから4年半越しの夢を叶えに行こうと思う。

 

まだ見ぬ世界を求めて…