ともきちのローカル旅

最長片道切符の旅を完遂!7日目以降は写真挿入が不調のため、とりあえず文章のみ公開します。後々リライト予定

最長片道切符の旅(50日目)

 

9月24日(金)

 

今日は1日中長崎を観光する。本当に旅を延長して良かったなと思う。

 

長崎は日本の端っこに位置していて、出島を介して西洋の文化がたくさん入ってきた。そのため、街並みも西洋の文化の影響を強く受けたものになっている。私は、これまで全国を転々と巡ってきたが、これほど異国感溢れる街は初めてだ。

 

まずは泊まったホテルから徒歩で出島に向かった。

 

1636年、長崎に築造された出島には、オランダ貿易によって世界の最新の情勢や西洋の学問や文化が入ってきた。一方で日本の情勢も世界に発信された。出島は江戸時代の日本と西洋を結ぶ唯一の窓口として大変重要な役割を果たした。

 

私は出島資料館には入らなかったが、出島を解説してある看板で出島の歴史を学んだ。

 

一通り見て回った後、長崎港の所にある海鮮丼屋で地魚ばかりを盛り付けた地げ丼と普通の海鮮丼を両方頼んだ。お金はかかったが、食べ比べできて満足した。日本のあらゆる所で美味しい海鮮丼が食べられるので、日本に生まれて良かったとつくづく思う。

 

ちなみに海鮮丼を食べながらオンラインで受けていた授業は先生が何を言っているのかほぼ分からず、絶望した。機械設計学はとても難しかった。

 

海鮮丼を食べた後は大浦天主堂へ徒歩で向かった。市電を使いたい気もしたが、時間に余裕があるのでもったいないと思って歩いて行くことにした。途中、オルゴール館を発見したので立ち寄った。ビートルズの「Yesterday 」があって即購入した。そこそこの値はしたが、クレジットカードで払ったので全然払った感覚がしない。クレジットカードを使う際は特にいくら使ったかを書き留めておかないと恐ろしいことになる。

 

オルゴール館を出てから坂を登ると大浦天主堂が現れた。実に立派である。日本に現存する最古のキリスト教建築物で、世界遺産に登録されている。

そういえば、私の中学の時の修学旅行は本来長崎と熊本へ行くはずだった。しかし、その頃熊本地震が発生して東京へ行き先を変更せざるを得なくなってしまった。あの時行くはずだった大浦天主堂にまさか最長片道切符の旅で訪れるとは思ってもいなかった。

 

その後、少し歩いてグラバー園へ辿り着いた。

グラバー園は、長崎開港後に長崎に来住したイギリス人商人グラバー、リンガー、オルトの旧邸があった所に、市内に残っていた歴史的建造物を移築した施設である。

 

西洋との繋がりの歴史が感じられて予想以上に良い観光地だった。

 

グラバー園の後はオランダ坂に向かった。途中、カステラ屋を見つけてカステラを購入した。そして、オランダ坂の途中にある休憩所でそのカステラを食べた。流石、長崎のカステラだった。

 

オランダ坂日本三大がっかり名所とか言われることもあるらしいが、私は風情があって黄昏るには丁度良い所だとは思った。

 

オランダ坂を登ってからはどんどん下って長崎市の中心地へ戻った。それからそこそこ歩いて稲佐山のロープウェイ乗り場へ着いた。ここへ来た理由はもちろん長崎の夜景を観るためである。ロープウェイのチケットを買ってロープウェイに乗り込んだ。長崎市内を観ながらあっという間に山の上にある乗り場へ着いた。

 

山頂に着いた時は、まだ日は暮れておらず、夕日をしばらく眺めていた。海も夕日に照らされて煌びやかだった。しばらく黄昏ていると夕日が沈んで辺りも徐々に暗くなってきた。人も比例するように増えてきた。

 

ぼーっと市内を眺めていたらすぐに空は真っ暗になった。そして、同時に美しい夜景が姿を表した。

 

長崎の夜景は、世界新三大夜景の1つとして知られている。世界新三大夜景に認定される前は、この稲佐山のロープウェイは廃業寸前まで追い込まれていたそうだが、認定されてからは観光客が急増して廃業を免れることになったそうだ。経済効果は凄まじいものがある。

 

船の汽笛が鳴り響き、哀愁を醸し出す。私は、これまでの最長片道切符の旅をゆっくりと振り返りながら、この美しい長崎の夜景に思いを馳せていた。

 

明日で旅が終わってしまう寂しさや、良い旅ができた満足感など様々な感情が入り乱れていた。

 

気づけば夜の10時前になっていた。そろそろロープウェイに乗って帰らないとと思って急いで乗り場へ行くとなんと営業を終了していた。本来なら営業しているのだが、緊急事態宣言等で営業時間が短縮されていたのだろう。まさかの事態に動揺はしたが、ここは奥の手のタクシーを渋々使うことにした。旅にトラブルはつきものとよく言うが、まさかこんな旅の終盤に起こるとは思わなかった。

 

そして、近くのタクシー会社に電話をして山頂近くまで来てもらうとこになって、無事にタクシーに乗り込んでホテルに帰ることができた。

 

最長片道切符の旅もいよいよ明日が最終日。

まだ旅を続けていたい。それが本音である。

明日はどんな1日になるのだろうか。