ともきちのローカル旅

最長片道切符の旅を完遂!7日目以降は写真挿入が不調のため、とりあえず文章のみ公開します。後々リライト予定

最長片道切符の旅(45日目)

 

9月19日(日)

 

今日は最長片道切符を一切使わない日になる。観光列車とフェリーの乗り継いで天草観光をする。事前に観光列車の指定席を予約していたが、急遽家族が加わったので家族の分の指定席を取りに熊本駅みどりの窓口まで行った。窓口にいた4人とも女性だった。近年は女性の活躍の場が増えていると感じるが、4人とも女性とは驚いた。しかも美人で愛想が良かった。

 

無事に指定席を取ってホームへ向かった。端っこのホームには観光列車の「特急A列車で行こう」が停まっていた。A列車の’A,は「アダルト(大人)」と「天草」の両方の頭文字をとっている。洒落たネーミングに気分が高まる。

車内は大人な雰囲気でジャズなんかも流れていてとても居心地が良い。

 

列車が発車してしばらくすると三角線に入る。読み方は「さんかくせん」ではない。「みすみせん」と読む。

 

三角線に入ると父は車内で売られているデコポンハイボールを買ってきて、早速アルコールを注入した。

 

ボックス席の窓からは有明海が見えた。有明海といえば海苔のイメージがある。

 

列車は1時間もかからずに終点の三角に着いた。

 

三角駅から徒歩ですぐの所に三角港があり、そこからフェリーに乗った。この旅では初めてかつ久しぶりのフェリーでテンションが上がった。

 

三角港を離れて方向を変えると一気にスピードを上げて海の上を進んで行く。予想以上の速さで少し驚いた。心配していた船酔いは全くなく、大いに楽しめた。

 

20分で天草の松島港に着くと、イルカクルージングのチケットを取った。天草に来た理由は2つあって、1つはA列車で行こうに乗りたかったということ。そして、もう1つはイルカウォッチングをしてみたかったということである。天草は1年中、野生のイルカを見ることができ、これは相当珍しいことらしい。日本では天草だけで、世界では他に2カ所ある。1つはシドニーで、もう1つは忘れてしまった。カナダ辺りだったような気がするが、とにかく北の方の国で見られたはずだ。

 

売店で地元の食材を使ったバーガーを買って食べた。3連休ともあって人は多かった。イルカクルージングの時間ギリギリに食べ終え、船に急いで乗り込んだ。この船も案外飛ばす。船はノロノロ進むという私の常識は覆された。

 

4、50分進み続けるとイルカの出るスポットに到着した。海面をじっと眺めているとイルカの群れが顔を出した。

 

野生のイルカの群れは迫力があって優雅に泳いでいて可愛い。また、今日は最高の天気で気分を高めてくれる。

 

別のクルーズ船も何隻か来ていて、まるで追い込み漁をしているみたいな感覚に陥った。

 

私の家族も夢中で写真を撮ったり、動画を録ったりしていた。

 

2、30分で夢のような時間は終わり、松島港へ向けて引き返した。

 

松島港へ着いて25分後に三角港行きに乗船した。楽しかった天草とお別れする。

 

船は勢いよく飛ばし、20分で三角港に戻って来た。三角駅までちょいと歩くとそこからは特急A列車で行こう6号に乗って熊本を目指した。

 

行きに見えた有明海は帰りには水が引いて砂が見えていた。景色を楽しんだり、少々寝たりしているとすぐに熊本に着いた。熊本駅から歩いて熊本ラーメンが食べられる「黒亭」という店に入った。見た目はガッツリ豚骨ラーメンで、味が濃いだろうと思っていたが、意外にもあっさりしていて食べやすかった。この前食べた鹿児島ラーメンとは全く別の系統のラーメンだったが、普通に美味い。やっぱりラーメンは味の好みはあれど普遍的な美味さがあるのだと改めて実感した。

 

その後、寿司が食べたくなって父の知り合いの人おすすめの寿司屋まで移動したけれど、この日は定休日で空いていなかった。仕方なく、近くの寿司屋で寿司を食べることにしたが、これが大誤算。注文してから40分程待たされ、それゆえ味も普通の回転寿司の方が美味しいと感じる始末だ。大ハズレの店を引いた。まだ、店員の愛想が良かっただけマシだった。これで愛想が悪かったら父はブチ切れていたに違いない。結局、ホテル近くのコンビニでサラダを買って食べた。コンビニのサラダがいつもより美味しく感じた。

 

ホテルではコインランドリーで洗濯したり、明日の準備をしたりして眠りについた。

 

今日も激動の1日だった。

旅の延長をして本当に良かったとつくづく思った。

最長片道切符の旅(44日目)

 

9月18日(土)

 

指宿から鹿児島中央まで戻って最長片道切符の経路に復帰する。経路上だと別途乗車券を買わなくて済むので少々気持ちが楽になる。

 

鹿児島本線で川内まで行った。これは「せんだい」と読む。牛タンで有名な仙台と同じ読みをする。

 

川内からは九州新幹線新八代までワープした。九州新幹線に乗るのはこれが初めてでフレッシュな気持ちで短時間の新幹線旅を楽しんだ。なぜわざわざ新幹線に乗るのかと言うと、九州新幹線開業に伴って鹿児島本線から分離した区間があるからだ。今は肥薩おれんじ鉄道という会社になっている。ここはJRの路線ではなくなってしまったので新幹線を使わざるを得ない。

 

新八代からはまたまた鹿児島本線で北上する。車内はロングシートでしんどかった。

 

30分と少しで今日の目的地の熊本に着いた。

熊本駅近くの駐車場で馴染みのある車を見つけた。実は心配性の両親がわざわざ滋賀から熊本まで車でやって来たのだ。弟も同行している。

ちょうど3連休なので来たらしい。

 

これからの3日間は1人旅ではなく家族旅行のようになる。

 

早速車で今日泊まるダイワロイネットホテルまで移動した。私は鉄道が好きだが、それでも車の便利さや快適さはすごいと思う。

 

ホテルに荷物を置いて、歩いてすぐの熊本城を観光した。中には入れなかったが、立派な熊本城に圧倒された。数年前の熊本地震の被害の跡もあって地震の恐ろしさも改めて実感した。

 

一通り見て回った後は熊本名物の馬刺しを食べる。父の知り合いの人がおすすめする「水戸黄門」という店に入った。なぜ水戸黄門という店名なのかと調べると店主が水戸黄門ファンという単純な理由だった。

 

私は人生で馬刺しを食べた記憶がほとんどないので、どんな味だろうかとワクワクして料理が出されるのを待っていた。しばらくして馬刺しと同じく熊本名物のからし蓮根が運ばれてきた。もう食べる前から美味しいのは確定である。まずは馬刺しを食べてみると衝撃的な美味しさだった。別に期待をしていなかった訳ではないが、予想を遥かに超えてきた。マグロのトロみたいに口の中でとろける。次にからし蓮根を食べてみたが、これは結構辛い。でも、クセになる辛さで食べ始めると止まらない。その他、魚の刺身や雑炊などを食べて大満足だった。

 

ホテルに戻ってから家族とゆっくりしていつもとは違った時間を過ごした。ホテルのテレビでAbemaが観られると知り、夜遅くにも関わらず、「虹とオオカミには騙されない」という恋愛番組を観た。今期のシリーズでは私の中学の後輩が出演している。西岡星汰という名前で活動しているから是非観てみてほしい。しょうたとは同じ中学でさらに同じ野球部だった。2コ下で当時はごく普通の中学生で可愛らしい印象だった。でも、今は可愛らしさは残っているもののキリッとした印象を受ける。上京して頑張っている後輩を見ていると自分も頑張らないといけないという気持ちが込み上げてくる。

 

深夜の2時か3時くらいまで観続けて、気付いたら寝落ちした。

最長片道切符の旅(43日目)

 

9月17日(金)

 

今日は最長片道切符は使わない。

鹿児島中央から別途乗車券を買って指宿まで行く。「特急指宿のたまて箱」という観光列車に乗ってみた。左側には桜島が見えたが、山頂は雲に覆われていた。桜島が見える区間を過ぎると今度は鹿児島湾が姿を現した。手前には南国の木が聳え立っている。ヤシの木だろうか。

 

それにしても指宿枕崎線はかなり激しく揺れる。全国でもトップクラスに揺れる路線と言われているけれど、予想を超えてきた。

私の地元路線の草津線も関西でトップクラスに揺れると言われているが、その2〜3倍は揺れる感じだった。指宿枕崎線に限らず、JR九州の多くの路線で揺れが激しい。乗り鉄の私はそれを面白く感じてしまうが、一般の人なら「もう勘弁」といったところだろう。

 

指宿のたまて箱の客室乗務員はとても親切でおもてなしの心を感じられた。九州の人はおおらかで親切な人が多い。

 

列車は1時間足らずで終点の指宿に到着した。

 

少し待った後、枕崎行きに乗って西大山という駅で降りた。この西大山はJR最南端の駅として知られ、観光スポットとして人気になっている。駅からは立派な開聞岳が望める。

駅前には市場があり、最南端需要にあやかっている。

 

ただ、残念なのは鉄道でやって来る人はほんの一部で大体の人は車でこの駅へ訪れる。鉄道の本数は極端に少ないし、車の方が色々回れて、かつ快適に移動できるのだから仕方ない。

 

私は駅前の市場でレンタサイクルを利用した。電動アシスト付き自転車だから普通の自転車に比べて少し楽である。

 

駅から4km以上離れた砂むし温泉まで自転車で漕いでいった。指宿は砂むし温泉で有名だ。

「山川砂むし温泉・砂湯里」という施設に着くと、ほとんど人はいなかった。

観光客のほとんどは指宿駅の近くの「砂楽」という砂むし温泉へ行くからここは穴場と言える。しかも砂楽よりもロケーションは素晴らしいし、値段も安い。

 

更衣室でレンタル浴衣に着替えているとこの施設のスタッフの人に「NHKの撮影が今入っていて、入浴する所を撮っても大丈夫ですか?」と聞かれた。私はこんな偶然は中々無いと思って快諾した。

 

砂場へ向かうシーンから撮られて少し緊張した。砂場に寝そべるとどんどん砂をかけられて顔以外は砂に埋もれた。5分くらいで身体が温まって次第に汗が出てきた。

私が入っている間、後ろでスタッフの人がインタビューを受けている。色々な角度からの質問があり、答えづらそうな質問もあって大変そうだった。

 

インタビューが終わるとスタッフの人と少し会話した。おそらくその様子も後ろで撮られていたと思う。

 

15分を過ぎてから砂から出た。すると空を飛べそうなくらい身体が軽くなった。

 

その後、砂を洗い流す所で砂を落としてから更衣室へ戻った。

 

更衣室で服を着てロビーへ向かうと、NHKの人に名前と電話番号を聞かれた。

NHKの「小さな旅」という番組で10月17日の朝8時から放送するらしい。私が住む地域ではこの日時の放送ではないかもしれないし、私が映らないということも考えられる。そこだけ追記しておく。

 

そして、受付の人に「小さな旅って全国放送やで〜!すごいじゃん!」と言われた。私は普段テレビをあまり観ないため、ピンと来なかったが、調べてみると80年代から放送されている歴史のある番組で驚いた。昨今、NHKは色々言われたりするが、このような旅番組だったり、教養がつく番組は質が高い。

 

NHKの人や受付の人と話し込んで旅の大きな思い出になった。

 

その後、台風接近で荒々しい鹿児島湾の海を眺めながら蒸した卵を食べて黄昏た。

 

1時間以上黄昏てからチャリで西大山駅前まで戻った。西大山から列車に乗って指宿まで行き、駅近くの「たけとら」というラーメン屋で夕食にした。このラーメン屋は前日出会った友人おすすめの店で、一押しメニューの「ファイナル開聞岳」は鹿児島県ラーメン王決定戦で優勝した実績を持つらしい。

もちろん私はファイナル開聞岳を注文した。名前もインパクトがあるし、味もパンチが効いている。地元の本枯節が乗っかっていてニンニクもたっぷり入っている。鹿児島ラーメンのことは全然分からないが、ニンニクをたくさん入れるのがスタンダードなのだろう。普段ニンニク増し増しのラーメンは食べないのだが、ガツンときてかなり美味しかった。

 

今日の宿は指宿にある。宿まで歩いて移動して今日の移動は終了した。

今日は盛りだくさんの1日で充実していた。お金もそこそこ使ってしまったが、このような素晴らしい経験に投資できているのだから問題ない。

 

鹿児島は気に入った。

最長片道切符の旅(42日目)

 

9月16日(木)

 

今日は始発列車に乗る。始発列車には乗り慣れているものの眠いことは眠い。鹿児島本線都城まで走った後、吉都線という閑散路線に乗り換える。吉都線の乗客は時間帯も相まって私以外全員高校生だった。男子はおにぎりをむさぼり、女子はあぐらをかいて寝ている。少しカオスな雰囲気さえ感じられた。

途中の小林という駅でほとんどが降りた。吉都線の途中駅の中では大きく、近くに高校があるみたいだ。

 

少し寝ていたら吉松に着いた。駅前にはSLが保存されていた。

 

肥薩線の人吉方面は何年か前の九州豪雨によって橋梁が流されてしまって未だに不通になっている。最長片道切符のルートにはギリギリ含まれないため代行バスに乗る必要はない。肥薩線の隼人行きに乗って嘉例川という駅で降りた。嘉例川の木造駅舎は県内最古で登録有形文化財に指定されている。とても歴史を感じる駅舎で観光客が度々訪れる。猫もいて人慣れしている。

 

嘉例川でゆっくりして後続の隼人行きに乗って隼人でまた鹿児島本線に合流する。

 

今日は鹿児島中央で最長片道切符を用いての移動は終わりとなる。エキナカの黒豚のトンカツが食べられる店で昼食をとった。流石、黒豚は美味しい。

 

今日は30℃を超える暑さで冷たいものが食べたくなった。市電で天文館前まで連れていってもらい、「むじゃき」という店の白熊を食べた。かき氷だが、今まで食べたことがない食感のかき氷で上に乗ってるフルーツは甘かった。見た目は可愛く、量も多くて気に入った。

 

ホテルのチェックインを済ませ、荷物を置き、再び鹿児島中央駅に行った。

18時に鹿児島大学に通っている滋賀の友人と待ち合わせをしているからだ。

 

友人は日焼けしていて、いかにも南国の九州人らしい様相だった。

 

駅前の「五郎屋」で鹿児島ラーメンを奢ってもらい、色々な話をして楽しい時間はあっという間に過ぎた。彼は彼女ができたことないらしく、その話が1番驚いた。彼は言葉では説明できないけれどとにかく面白い。ここ数日は九州人と会話する機会がほとんどだったため、関西人の話のリズムに少し安心感を覚えた。

 

その後、コンビニで九州限定のポテチやアイスも奢ってもらい大変お世話になった。

 

彼は俳句やエッセイが好きで、彼なら今日のこの時間をどう表現するのか気になる。

最長片道切符の旅(41日目)

 

9月15日(水)

 

今日は贅沢する。特急にちりん9号のグリーン個室に乗車した。グリーン個室は4両編成は付いておらず、6両編成には付いている。特急にちりん9号は6両編成での運転となる。私は、最大4人で使える個室を1人で貸し切るというブルジョワを発揮した。とはいえ、大分から宮崎まで5000円弱買い足せば個室でのんびりできるのだから安いと思う。私の金銭感覚はおかしいだろうか。

 

楽しかった大分を去り、これから3時間の旅が始まる。グリーン個室には普通の座席と少なくとも4人座れる所があり、畳んだり広げたりできるテーブルも付いている。内装も高級感があり、優越感に浸ることができる。

4人掛けの席では寝転がることもできる。私はこの3時間の内の半分も寝転がって過ごした。

まるで寝台特急のようである。

昔、夜行列車で寝た記憶が蘇る。そして、その余韻に再び浸った。

 

佐伯を過ぎてからは電波もほとんど届かない山深い所を列車は進んで行く。民家もほんの僅かあるくらいで周りは何もない。

 

佐伯ー延岡間は普通列車が1日1.5往復という超閑散区間となっている。特急列車はある程度本数はあるのだが、普通列車はお粗末だ。

 

途中の宗太郎を過ぎた辺りで宮崎県へと入る。

延岡に着くと、ここからは民家がたくさんあるので少し安心する。延岡はかつて高千穂線という絶景路線が伸びていたそうだが、廃線になってしまった。

 

延岡から1時間で宮崎に着いた。3時間はグリーン個室で移動すると体感で1時間もかかっていないように思えた。それだけ快適で、素晴らしかった。また乗りたいと思うし、今度は博多ー宮崎空港を乗り通せる特急にちりんシーガイアのグリーン個室に乗車して6時間の旅を楽しんでみたいなと思う。

 

宮崎はあいにくの雨で気が滅入ってしまったので特に名物は食べなかった。チキン南蛮の店も定休日でやっていなかった。

 

ホテルの近くに銀だこがあったのでたこ焼きを食べて腹を膨らませた。

 

それにしても宮崎は暑い。駅前にはヤシの木かどうかは分からないが、いかにも南国の木らしいものが目に映る。南国へ来た実感が湧いた。

最長片道切符の旅(40日目)

 

9月14日(火)

 

今日は最長片道切符を使っての移動は無く、別途乗車券を買って大分を観光する。昨日は別府温泉を楽しんだが、今日は由布院温泉を楽しむ。由布院までは1時間以上もかかる。その代わり景色の良い所を進んでいく。雨が降っていて観光気分にはならないけれど、温泉だけは入りたいと思った。

 

駅から徒歩5分の所にある「乙丸温泉」で入浴した。200円で入れるのだからありがたい。地元の人ばかりで私以外に観光客らしい人はいなかった。皆、浴場のドアを開けるたびに「おはようございます」と挨拶をしている。地元色が強く、穴場の温泉という感じがして、私は好きだ。

別府温泉は熱かったが、この温泉に関してはさほど熱くなくて20分以上入れた。

 

温泉から上がった後は駅に向かう道の途中でプリンを売っている店を見つけたので入ってみた。温泉街にプリンはつきものだ。

 

由布院から大分に戻ってきた後は海地獄へ行くことにした。昨日訪れた別府まで戻り、バスに乗って海地獄を目指した。別府駅から海地獄まで30分弱かかる。

 

海地獄は最高98度の熱泉が噴き出しており、非常に見応えがある。そして色はコバルトブルーでまさに海地獄という名にふさわしい。

 

そして、温泉地で食べる温泉ゆでたまごも美味しかった。

 

バスで別府まで戻った後はまたまた大分に戻る。

 

17時に美容院の予約をしているから早めに大分に着いた。その美容院は「アルティスト」といってかの有名なYouTuberのスーツ氏が度々通っていることで知られている。私もせっかく大分に来るのだからそこで髪を切ってもらう。髪も相当伸びて私の厄介な癖毛が暴れている。だから、好都合である。

 

やはりスーツ氏の聖地ともあって全国からアルティストにやって来る人が後をたたないという。

 

私はお姉さんに髪を切ってもらい暴れん坊の癖毛はどこへやら。短くスッキリした。髪型も気に入った。流石スーツ氏が通う所とあってカットの技術が高いと感じた。

 

今日はお金を使い過ぎてしまった。まぁ、たまにはこんな日もあってもいいだろう。旅も残り少ないのでここでどんと使ってもさほど問題ではない。

 

今日は疲れた。いや、毎日疲れている。

寝ても疲れはあまりとれない。でも、楽しいからどうにだってなる。やっぱり私は旅が好きなのだろう。

 

大分に大満足してそっと眠りについた。

最長片道切符の旅(39日目)

9月13日(月)

 

西小倉からのんびり鈍行で日豊本線を南下していく。行橋や中津といった比較的大きな駅を過ぎて宇佐に着いた。宇佐は平仮名で表記すると「うさ」で、なんの変哲もない駅名だが、アルファベット表記にすると「USA」となる。急にアメリカにワープした感覚に陥って面白い。一方、周りの風景は当たり前だが日本の田舎風景でそのギャップがクスッと笑える。

 

駅に降りてみたものの、雨がしとしと降っていて特に観光する所も無いので、次の列車を調べたが、鈍行は1時間程待たないと来ない。しかし、20分程待てば特急ソニックがやって来るので窓口で自由席特急券を買った。特急ソニックに乗ってみたいと前から思っていたので好都合だ。しかも次の停車駅である杵築(きつき)までは310円で安い。

 

特急ソニックが入線するホームからは山が見え、その頂上付近には「USA」と書かれた看板がある。思わず目を奪われる。

 

そして、特急ソニックに乗り込んだ。座席と揺れはジェットコースターみたいな感じで楽しい。一瞬で虜になった。

 

杵築に着いてからは8分後に来る鈍行で別府を目指した。費用を最小限に抑えて効率良く乗り継げたことに嬉しさを感じた。

 

別府駅駅名標には温泉マークが描かれている。

 

駅からはどれくらい歩いただろうか。とにかく30分は歩いたように思う。ようやく「東洋軒」というとり天発祥の店に辿り着いた。そう、大分はとり天が有名なのである。

 

有名店なので平日にも関わらず開店後すぐに満席になった。

 

私は定番のとり天定食を注文した。唐揚げではなく本当に天ぷらのような食感で、衣も軽い。油はくどく無く控えめな味付けのとり天が後を引く美味しさ。これは文句の付けようがない。

 

店を後にして30分歩いて別府タワーに来た。外は雨で残念だが、温泉街という雰囲気は出ているのでこれはこれで趣がある。

 

受付の50代くらいの女性の方によれば来年から別府タワーはガラスの貼り替えなどのリニューアルを実行するらしい。この別府タワーは60歳を超えており、ガラスにも多数ヒビが入っている。ヒビからこの昭和の名タワーの歴史を感じる。リニューアル前の晩年の姿を目に焼き付けた。

 

 

次は別府温泉に入る。竹瓦温泉という所で入浴した。300円と安い。しかし、湯の温度が私にとっては相当高く、10分ももたなかった。

 

別府駅に戻り、15分程列車に揺られて今日の目的地である大分に到着した。