最長片道切符の旅(30日目)
9月4日(土)
京都駅の新幹線中央改札口で鉄道好きな友人と待ち合わせをした。約束の6時半になると友人は現れ、一緒に新幹線の自由席特急券を買った。
6時55分発ののぞみで次の新大阪に向かった。新大阪からは30分待ち、こだまで西明石まで行った。使用車両はひかりレールスターの予定だったが、JR西日本が保有する九州新幹線仕様の車両に急遽運用が変わった。
西明石で明石名物の「ひっぱりだこ飯」を買い、在来線でダウンタウンの聖地・尼崎まで来た。やはり新快速は速い。目を見張るようなスピードで京阪神を駆け抜ける。
尼崎からは福知山線で福知山まで着くと列車の本数が大幅に少なくなる。コロナの影響によって減便もされている。
友人と昼飯を食べたり、撮り鉄をして時間を潰した。
レアな車両も時々やって来て福知山は気に入った。
ずっと1人で旅してきたので友人がいると心強い。
その時ふとことわざが思い浮かんだ。
「旅は道連れ世は情け」
福知山で友人と別れ、豊岡行きに乗った。
私の地元路線・草津線で走っている113系という車両に乗った。草津線の113系とは少し仕様が違っているが、モーターの音や揺れなどは懐かしさを感じる。100km /h近く出して、揺れは激しい。車窓を見ずに目隠しすれば草津線と思わず答えてしまうだろう。
豊岡では1時間程待ち時間がある。1時間では全然観光できない。豊岡はコウノトリや豊岡鞄が有名だが、また別の機会にゆっくり観光してみようと思う。
豊岡から先はタラコ色をした国鉄型気動車が担当する。車内は学生が多かった。ちょいと走って城崎温泉に着いた。城崎温泉は昨年、開湯1300年を迎えた。とてつもなく歴史が長い。
あの某兵庫県議員が足繁く通った温泉なのだからきっと素晴らしい温泉なのだろう。
「この世の中を!この世の中ー(泣)!」
このフレーズで誰のことかはお分かり頂けただろう。
駅前からすでに街並みは風情がある。流石温泉地として名高い場所だなと思った。夕食はカニが食べたかった。駅からすぐの所にカニを食べれる店があったので入った。
今日は奮発してみようと思う。焼きがに特大を注文した。6000円もする。観光地価格だが、たらふくカニを食べられて値段のことなどどうでも良かった。
カニを食べた後はいよいよ温泉に入る。
本来は外湯巡りをするべきだが、城崎温泉で宿泊はしないため1ヶ所だけにした。私は「御所の湯」という温泉に入った。滝を眺めながらの露天風呂は趣があった。身体もポカポカになって浜坂行きの列車に乗った。
辺りは真っ暗で、たまに灯りがポツポツと見えている。国鉄型気動車は車内の雰囲気や音は素晴らしく、ゆっくり走ったり、突然スピードを出したりして車窓は真っ暗で見えないのに楽しませてくれる。
これぞ鉄道旅というものである。
豊岡方面からの列車に乗っていたのはほとんど高校生で、皆香住で下車した。
私も今日の宿は香住にあるので下車した。
対向列車が数分間停まっていたので運転士に質問した。
「この車両は運転するのは難しいですか?」
「まぁ慣れだね。電車からこの気動車に来た人なら戸惑うかもしれないけど。」
駅から宿までは3分程だった。
宿のフロントの方と山陰本線のことについて少し話した。城崎温泉までは利用者がいるが、城崎温泉から先の浜坂方面は利用者がほとんどおらず、大半が高校生らしい。
この辺りも車社会なのだと実感させられる。